TPPと医療制度に関して(1)

TPPの話題が世の中を騒がしていますが、
少し、同僚の先生と議論、いろいろ教えてもらったこともあるので、
医療という観点でどういう影響がありそうか書いてみようと思います。


ちなみに、日本医師会などの意見とは、異なりますが、特に否定したいという意味ではありません。
個人的には、どちらの道を歩むにしろ、医療としては成立すると考えています。


まず、TPPに参加すると
メリット : 競争原理が働き、コスト削減
      安い外国製品が入ってくる。
      外国に工場を移転し、安くいわゆる日本製品が作れる。
デメリット : 価格と価値で勝てない日本の一部の分野は壊滅


これらは、一般業種の話であって、医療はTPPに参加するだけでは、容易に変化しないと思います。
医療に関する各種法律で、外国人医師や、病院、製薬が自由に入り込むことはできないと思います。


しかし、ISD条項も含まれてくると話が変わってきます。
ISD条項とは要は、他国の企業が、相手国の政府相手に訴訟ができるといったものです。


もし、この条項が適用されると
日本の、国民皆保険や、医師や病院の制限、薬の認可に関して、
アメリカ企業、製薬会社、保険会社が、”医療産業において自由な競争を阻害している ”と訴えることができます。
そして、これまで、アメリカがカナダと、自由貿易協定を結んだ際には、こういったアメリカ側の訴えが認められています。
日本の、皆保険や、薬の認可の仕組みなどは、明らかに、外国からの新規参入を阻害するものなので、訴えられたら負けるように思います。


つまり、ISD条項が適用されると、医療やすべての分野が、アメリカ流になる、アメリカの常識が適用されます。
国民皆保険は民間の保険になり、
薬の認可も早くはなるが、副作用が大きいものが入ってくる可能性もあり、
外国人医師や、
営利目的の病院が参入することになるでしょう。


(つづく)