メタボリズム建築 (メタボリックシンドロームでないよ。)

今回は、メタボリズムの話。
メタボリズムは文字通りだと、代謝とかそういう意味だけど、
メタボリズム建築の話です。


連休中、すこし六本木まで足をのばして、「メタボリズムの未来都市展」 をみてきました
メタボリズム運動というのは、どうも、丹下健三さんあたりが中心になって、
菊竹さん、黒川紀章 さんなんかが推し進めていったよう。


かれらの建築はたくさん都内にもあるが、
メタボリズムという建築は、ほとんど残っていないようです。
1960年の世界デザイン展 〜 1970 年ころの活動で、そのあとは、どちらかというと衰退していったようでした。


どうも、人口増大や、土地の不足、都市の広がりが制限される中で、
建物自体、都市自体が、拡大したり、移動したり、柔軟に変形できるようなものを目指していたというのが、
基本のようです。


そのモデルとして、生き物の代謝どちらかというと新陳代謝 を参考にしたようでした。


発想自体や、コンセプトのデザインには共感できるのですが、
なぜか、実際に建てられた建築は、コンクリートむき出しの、生を感じないような作品が多かったように思います。
とくに、当初の作品は、上に広がっていたり、水平方向に各階層が、完全に断絶していたり、
逆にせまく、重く感じてしまいました。

年がたつにつれて、安定感のあるような作品が増えたように思います。
さらに、
純粋なコンセプトから離れ、やや、その土地との結びつきも考慮されていたように感じました。
適宜曲線を取り入れたり。


展示では、菊竹清訓さんの作品が多く、経年的に展示されていたので、
上でかいたようなことを実感した。


全体的な感想としては、その頃の建築思想がわかって、とても面白かった。
プレハブ建築に実用化されたという、社会的な影響もあったという点は、
特筆すべきだと思う。


最後に、
ちょっとメタボリズム運動などをみていて思ったこと。


正常な組織にも、良性腫瘍にも、悪性腫瘍にも、
それぞれの、代謝があり、それぞれの増殖の形態が存在しています。
そういったところが、やや無視されていたようにも思います。
生物の正常な組織は、無作為に増殖していくわけではありません。(それは悪性腫瘍です)
増殖するところは増殖するし、
増殖しないところはしない、
さらに、同じ細胞が各組織にあるわけではなく、組織に応じた細胞の分化・成長があります。


単一のカプセルが増殖する建築は、もしかすると、正常なものではなかったのかもしれません。
というのが個人的な雑感です。


という、批判にも受け取られかねないことも感じましたが、
現代でも、斬新なイメージをうけました。


黒川紀章さんの、カプセルハウスの一室が外に展示されていました♪


大谷幸夫さんの京都国際会議場
日本的な形も取り入れていることに好印象。
http://www.icckyoto.or.jp/charm/complex.html


メタボリズム建築が普及すると、こんな日本になっていたのだろう。
すこし、その土地 (組織) との 調和がとれていないような。。
http://www.roppongihills.com/feature/metabolism/metabolism.html