風疹を防ぐ第一の目的は、妊婦への感染を防ぐことです。

風疹が流行していますとか、報道されても、なかなか実感わきませんね。
しかし確実に増えています。


アメリカなどでは、しっかりコントロールが行われていて
http://www.cdc.gov/mmwr/preview/mmwrhtml/mm5411a5.htm#fig
2001年以降は年間25人以下が続いていて、さらに右肩下がり。
日本は、
http://idsc.tokyo-eiken.go.jp/diseases/rubella/rubella/
4か月で都内だけでも1500人超え。。。 非常事態です。。


風疹を予防する第一の目的は
妊婦への感染予防です。
それを認識するのが最重要だと思います。


また、発疹が出現する7日前、発疹出現後5日(〜7日)は、感染力があるとされています。
さらに、不顕性感染といって、発疹や発熱が起こらない場合も、20%〜50%程度あるといわれています。
つまり、
予防手段としては、予防接種を行うことくらいしか方法がありません。(あるいは、自分に抗体が十分あることを採血で確認できます。)
熱がでて、皮疹がでて、もしかしてと思って、病院に行っても、すでに、家族や職場、同じコミュニティの人には、風疹のウイルスに暴露されている可能性が高いですし、不顕性の場合は、暴露させてしまったことにも気づかないこともあるかもしれません。。


特に、自宅・職場・所属するコミュニティに出産適齢期の女性がいる場合は
男女に関わらず予防接種(or抗体価の採血での確認)が強く勧められる状況です。


女性で、妊娠している場合や可能性がある場合は、自分の身を守る必要があります。
まずは、自分の抗体価を知る必要があります。
抗体価が低い場合は、予防接種を受けたことが確実な人以外との接触は避けるべきでしょうし、不要な外出、人込みには絶対行かないくらいの対応も必要かと思います。
あと、飛沫感染(くしゃみや、つばなどで広がる)のはずなので、マスクで予防もある程度有効のはずです。
※妊娠中、妊娠の可能性がある場合は、風疹の予防接種はできません。(弱毒のウイルスを入れるため。)


さらに、特に、自分の抗体価がわからず、
万一、妊娠していて(妊娠の可能性が高く)、風疹の患者と接触があった場合は、
速やかに医療機関を受診し、抗体価のチェックを受けるべきです。
(特に、妊娠初期〜中期頃。)


また、以前にかかったことがあるという情報はほとんどあてになりません。
というのも、以前は、皮疹と発熱などだけで、風疹と診断していたはずで、
風疹と似た発疹を出すウイルス感染は他にもあるため、誤診(?)している可能性もあるようです。
妊婦への暴露の予防のためにも、もう一度、抗体価の確認 or 予防接種を行いましょう。


NHKもわかりやすいまとめをされています。
http://www3.nhk.or.jp/news/stopfushin/


最後に、自分の考えとしては、予防接種をしましょう!というアナウンスだけでは不十分ではないかと思います。
ここまで流行が広がっている状況で、妊婦へのウイルス暴露を抑えるには、
妊娠適齢期の女性がいる職場に対する、積極的な働きかけも必要だと思います。
また、詳しい状況はわかりませんが、ワクチンにも限りがあるはずなので、優先順位を明確にしないといけないように思います。


以上、一般内科医の意見でした(CDCの方針も参照したので、ほぼ問題ない内容だとは思います)。
予防接種が勧められるというのは、間違いない状況ですので、偶然この日記を読まれて心当たりがあれば、予防接種を検討してみてください。また、抗体価の確認のうえ、低ければ予防接種でもよいと思います。
感染症、感染予防、予防接種に詳しい方の情報も、多くウエブ上に掲載されているので、ご参照ください。